犬や猫など、ペットにマイクロチップを装着することが出来るのをご存知でしょうか。
飼い主の情報が登録されたチップにより、脱走してしまった際に見つけやすくすることができます。
現代では人間にもマイクロチップを体内に埋め込んで、鍵の解錠や本人確認を人体だけで出来るようにする技術が進んでいます。
しかし、ペットに付けるチップは、飼い主だけが知っているだけでは意味がないものです。
このチップを有効活用するためには、ペットを飼っているいないに関わらず、内容や使い方を知って、認知度を広めていく必要があります。
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マイクロチップについて
マイクロチップの概要
出典:朝日新聞
マイクロチップ本体は、直径2ミリ×長さ1センチ程度の電子機器です。
各チップには15桁の数字組み合わせで世界で唯一の番号が決められており、この番号に紐付けてペットや飼い主の情報をデータ登録します。
このチップを専用の機械で読み取り、登録されたデータと照合してペットの情報を特定することができます。
マイクロチップの装着
マイクロチップは首の後ろに注射器のような専用の注入器で体内に埋め込みます。
首の後ろは、手や口が届かず比較的安全であるためです。
体内に埋め込むため、見た目では見えません。
マイクロチップの装着(埋め込み)は、動物病院で処置してもらうことができます。
また、チップの耐久年数は数十年も持つため、ペットの寿命を考慮すると十分な期間であり、装着の処置は一度で済みます。
データの登録・読み込み
マイクロチップは装着しただけでは意味がありません。
チップには、飼い主の名前、住所、連絡先などの情報を登録する必要があります。
動物病院で装着して貰った際、データの登録用紙を渡されるので、そこに飼い主の登録情報を記入し、AIPO(動物ID普及推進会議)宛に郵送します。
または、動物病院によっては登録もその場で同時にできる場合があります。
AIPOはデータベースで登録情報を管理しており、動物病院や動物愛護センターなどで読み取ったチップの情報を読み取り照合してもらうことができます。
2021年現在、登録数は250万以上(うち猫は60万件以上)で、一般の家庭で飼っているペットへの装着も増えているようです。
安全性は?
装着(埋め込み)時の痛みは普通の注射程度しかないため、身体への負担はほとんどなく、鎮痛剤や麻酔なども行いません。
マイクロチップを装着することによる障害や副作用などはほとんどないとされています。※1
チップはISO国際規格に準拠しており、埋め込んだチップが体内で移動したりしないような加工など、様々な臨床試験のもとで安全性の高いものであると証明されています。
※1 参考:公共社団法人 日本獣医師会
マイクロチップ装着の義務化

動物販売業者で取り扱うペットが対象
マイクロチップの装着は、”動物愛護管理法”という動物の愛護及び管理に関する規則で義務付けられています。
対象は犬猫の販売業者であり、ペットショップやブリーダーから購入する犬猫にはマイクロチップが装着された状態となります。
販売業者から購入する際に、飼い主はデータの登録情報を変更することとなります。
自分が現在飼っているペットは?
2021年現在では、保護猫や拾い猫への装着義務は無いため、里親募集で譲り受けた猫などは必須ではありません。
しかし法改正は頻繁に行われており、いつか保護猫なども対象になるかもしれません。
海外では保護猫を含めすべてのペットにチップ装着が義務化されている国も増えています。
チップを装着していないと持ち込めない国もあります。
日本は保護猫に対する支援や意識が弱く、マイクロチップの認知もあまり普及されていません。
支援がないぶん、すべてのペットに対して義務化させるようにはまだまだ無さそうです。
動物園の特定動物も対象
ちなみに、ペットショップと同様に動物園にいる”特定動物”と呼ばれる危険な動物にも装着の義務があります。
・哺乳類:ゴリラ、ゾウ、キリン、トラ、キリン、…etc
・鳥類:タカ、ワシ、コンドル、…etc
・爬虫類:ワニ、トカゲ、ヘビ、…etc
など約650種
動物を大量に扱うため、脱走や問題が起こったときにも役立ちます。
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費用について
動物病院でのマイクロチップ装着費用は、数千円程度
AIPOへの飼い主データ情報の特録費用は、1,000円です。
各地域の自治体によっては、上記それぞれに対して助成金が出る場合もあります。
また、ペット保険によっては、チップを装着していると保険料が割引になるプランがあるので、ペット保険に入っている場合は確認してみましょう。
マイクロチップの必要性

装着のメリット
ペットにマイクロチップを装着するメリットは、「迷子になった時に見つかる可能性が高くなる」という一点のみです。
完全室内飼いだから大丈夫と思っていても、思わぬことで迷子になってしまう可能性があります。
“もしもの備え”という意味では、保険のような扱いです。
本当に見つかりやすくなるのか
マイクロチップは読み取って使うことではじめて効果があります。
つまり、迷子になった猫が誰かに拾われ、拾った人がマイクロチップを認知しており、動物病院などで照合してもらう、までのステップをクリアしなくてはなりません。
飼い猫であっても他人に大人しく捕まることはあまりなく、そのまま野良猫として逃げまわる可能性は高いです。
また、チップ装着の有無が見た目ではわからないため、たとえ拾われても読み取りまで行ってくれる可能性は低いかもしれません。
マイクロチップは、そのわずかな可能性でも見つかる確率を上げるためのものということを知っておきましょう。
代替案を検討
人間と違って、ペットに装着したマイクロチップの使い道は、脱走してしまった際に見つかる確率をあげるくらいしか現状ありません。
そのため、見つけた人の立場で考えると、“首輪”のほうがベターであるとも考えられます。
マイクロチップと違って、見た目で飼い猫であることが分かるので、そのまま拾われて飼われてしまう心配も減り、迷い猫として保護してくれる可能性が高くなります。
また、SNSや張り紙で捜索依頼をする際、猫種と首輪の組み合わせで特定しやすくなります。
首輪に迷子札(ネームプレート、タグ)が付いているもので、連絡先が分かるようになっていればより完璧でしょう。
首輪と違って、マイクロチップは身体に付けていることのストレスが全く無いことがの利点と言えます。
さいごに

個人的には、チップや首輪を装着をしようという気にはまだなりません。
玄関までの扉は二重、洗濯は乾燥機を使っていてベランダや窓を空けないようにしています。
マイクロチップは迷子猫を拾った人が知っているかどうかがカギとなるため、もっと多くの人に認知される必要があります。
少なくとも、猫を飼っている人同士が情報共有などで協力していきたいところです。
また、現代の技術の進歩で、人間にもマイクロチップを埋め込んでいる人も増えています。
他にもGPS機能や体調がわかるようになるなどのメリットが増えてくれば、さらに認知度は増えていきそうですね。
いつか人間やペットにマイクロチップを埋め込むのが当たり前になり、生き物がデータで管理される時代もくるのかもしれません。
以上です。

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