猫の知識としてなぜか老若男女だれもが知っていることといえば、首の後ろを掴むと大人しくなるということですよね。
大人しくなる詳細な理由として深く考えたことはない人が多いと思います。
私も何となくそういうものでしょ、程度の認識でした。
マンガでよくある、悪いことをしていると後ろから先生が首根っこ捕まえた時の状態や、ヤンキーに胸ぐら掴まれた時のような、ビビって硬直しているのかな?とも思っていました。
ですが実際は、首の痛覚は鈍いので痛みは感じておらず、大人しくなるのにも猫の習性としてちゃんとした理由がありました。
中には「首を掴むなんてかわいそう!」「虐待だ!」と思う人もいると思います。
基本的に飼っている時に首を掴む状況はほとんどないと思いまが、
状況によってはとても有効で、緊急時には必要となる場合もあります。
いざという時のために、猫のために、知識として知っておきましょう!
スポンサーリンク
正式名称は?
「Pinch-induced behavioral inhibition」の頭文字を取ってPIBI、日本語では「つまみ誘発性行動抑制」と呼ばれています。参考:Wikipedeia
文字通り、つままれることで行動を抑制される
首をつまむ姿がクリップで挟むような形であることから、クリップノシスとも呼ばれています。
昔吉本新喜劇で首根っこ掴まれて退場させられる時に「ババたれ猫みたいに持つな!」と言っていたのが面白かったです。
首を掴む/つまむとどうなる?

猫に起こる現象
猫は首を掴まれると、条件反射で主に以下のような行動をとります。
なぜ大人しくなる?
母猫が子猫を運びやすくするために、条件反射で身体が緊張して動きが止まります。
野生の世界では、運ぶ時にあばれて落としてしまうと、その場に放置されたり危険が回避できないと困るので、本能的な習性として大人しくなって身体を丸めたり運びやすい体勢をとるようになっています。
掴まれて痛くはないの?
痛覚は鈍感
猫の首の痛覚は鈍感になっているので、皮が余っているので引っ張るとよく伸び、痛みはほとんど感じないと言われています。
人間で言うと肘の皮のようなものでしょうか。
母猫が咥えて運ぶ時、子猫を持ち上げるほどの力で犬歯(尖った牙)が当たっても痛がったりはしません。
本来首は触られて喜ぶポイント

猫は頭を撫でたり、のどを触ってゴロゴロさせたり、自分では届かない顔周辺を触られると喜びます。
なので、首をマッサージするように優しく触ってあげるととても気持ち良さそうにリラックスします。
持ち上げるのはNG!
痛みは感じにくいものの、身体が浮くくらい持ち上げるのは厳禁です。
自重を首に全集中させることになり、いくら感覚が鈍い場所とはいえ痛は感じます。
子猫のうちは体重が軽くても、数ヶ月もすればどんどん重くなり、すぐに倍以上の体重になります。
皮が強く引っ張られると気道が塞がれて呼吸もし辛くなります。
持ち上げられることがストレスになると感じると、抱っこも嫌いになり、スキンシップが取りにくくなる可能性もあります。これは猫好きにとって致命的。
どういう時に掴む?
基本的には避ける
持ち上げるのではなく、その場で動きを抑制する目的であればとても有効です。
多用は禁物ですが、緊急時にはむしろ必要となるケースもあります。
動物病院
病院内では基本的に飼い主同伴で診察室に入り、獣医さんが診ている間も側にいる・抱っこしている状態になります。
もし注射を打っている時に、逃げ出そうとしたり暴れてしまうと危険なので、首を掴んで大人しくさせるのが有効です。
爪を切る時
爪を切る時に嫌がって暴れる猫は多いですよね。
切っている最中に暴れると深く切ってしまうので危険です。
二人以上いる時であれば、一人が爪を切って、もう一人が大人しくさせるときに使えます。
災害などの緊急時
特に自然災害の場合は一刻を争うので、避難するために急いでキャリーバッグに入って貰わなければなりません。
普段は抱っこしてすんなり入ってくれる場合でも、災害時は猫もパニックになっていて大人しく入ってはくれない可能性があるので、この手段があることを覚えておきましょう。
以上です。

母猫が運んどる姿って微笑ましいけどかなりレアよな
スポンサーリンク
コメント