猫を飼う=人間と一緒に生活していくということは、異なる種族の動物が共存してお互いに幸せな暮らしを築いていかなくてはなりません。
本来、野生では生活スタイルが人間とは大きく異なる猫が、人間の生活スタイルに合わせられるように様々なことを覚えたり慣れたりすることが必要です。
猫がその内容を最も学習しやすい時期が”社会化期“と呼ばれる期間です。
社会化期で過ごした環境や状況が、猫の性格形成などにも大きく影響を与える大切な時期です。
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社会化期について

社会化とは
社会化とは、生まれた自身の立場や周囲の世界を認識することであり、生きていく上で社会に適合し馴染むために必要なことを”経験“し”学習“することです。
例えば、親猫から狩りの仕方や、他猫と触れ合うことでのコミュニケーションの取り方、危険なものなどを覚えて、社会に順応してしていきます。
これは我々人間でも、幼い頃に過ごした環境や経験したことが、その後の性格や得意不得意に影響するのと同様です。
社会化期の期間
猫の社会化期は、およそ生後1〜3ヶ月の子猫の時期に起こります。
具体的には、産まれて間もなくの2、3週目ごろから始まり、2ヶ月目頃にピークを迎えます。
その後は周囲の環境や猫の個性にもよりますが、3ヶ月以降も続くこともあると言われています。
しかし猫の社会化期は、犬に比べてそれほど研究が進んでおらず、明らかになっていないことも多くあります。
猫の社会化期は、犬よりも早く始まり、早く終わる傾向にあるようです。
社会化期の影響
社会化期に経験したことは、その後の性格に影響することが多く見られます。
例えば、社会化期を外で野良猫として過ごすと、騒音や人間が恐いものとして定着し、生きるために警戒心が強くなったり臆病な性格になります。
また、周囲の環境に恵まれていれば友好的になり、孤独や敵が多いと攻撃的・臆病になったりします。
社会化期を人と過ごした子猫は、人への接し方やコミュニケーションを学ばせたり、爪切りやシャワーなども日常ごととして慣れてもらいやすいですが、社会化期を過ぎた後では苦手意識を変えるのが困難になります。
社会化期を過ぎている場合

飼い始めた猫がすでに社会化期を過ぎていたとしても、後から学習したり覚えたりすることはできます。
ただし、社会化期の影響は大きく、慣れるのには時間がかかったり、場合によっては最後まで苦手なままな場合もあります。
猫の性格によることも大きいですが、根気強く時間をかけて少しずつ慣れさせていきましょう。
社会化期に体験させてあげるべきこと

人間と触れ合う
やはり人間というものを知るのが社会化期か、それ以降かでは、人間への警戒心は大きく異なります。
猫とおもちゃなどでよく遊んであげることで、人間と遊ぶのは楽しい、人間は怖くない、ということを覚え、直接触れ合うことでも匂いや感触などを覚えます。
男性の人間に会う
人間の中でも、できれば男性の人に会わせることもポイントだと言われています。
男性の低い声や匂いなどは、嗅覚・聴覚の鋭い猫にとって女性より怖い存在と感じます。
また、一人暮らしでは人間=飼い主だけと思い、来客時に警戒したりストレスを感じますが、家族など多くの人に囲まれて社会化期を過ごすことで、より人間という存在に慣れやすくなります。
爪切り
社会化期には爪切りに慣れておきましょう。
成長してからでは暴れる力も強くなり、爪を切られたり、抱っこされることも慣れるのが困難になります。
他の動物との触れ合い
親や兄弟など、他の猫に囲まれて育てば、猫社会のルールも学びます。
上下関係や、じゃれ合ったときの力加減、縄張りに対するルールなど、猫の世界で必要な社会性は、猫同士で一緒に暮らすことで学んでいきます。
室内に一匹だけでは全てが自分ルールになっているため、後から多頭飼いなった際に警戒心やストレスがかかる場合があります。
社会化期を気にしなくてもいいこと
トイレや爪とぎなどは、猫の習性でいつでもすぐに習慣化することが出来ますので、社会化期を気にする必要はありません。
逆に、シャワーや病院など、苦手な子はいつまでも苦手なままです。
性格や得意なことなどがすべて社会化期で決まるわけではありません。
また、痛い思いや怖い体験は、社会化期でなくとも根強く覚えてしまいますので注意しましょう。
以上です。

忘れたい事ほど忘れられんよね
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